手ぬぐい と 温泉


手ぬぐい と 温泉 はとても相性がいいです。旅行の途中でふらっと 温泉 に向かうときなど、鞄の中にそっと手ぬぐいを忍ばせていればそれで大体なんとかなります。スペースも然程とりません。

身体 を 洗う、拭くなどこれ一つで事足りてしまい、じゃぶじゃぶ水洗いをして、しっかり絞り、風通しの良い所などで干していれば、たちまち乾いて、たたんでまたしまっておけます。

そんな温泉と相性のいい手ぬぐいですが、お土産売り場などで見かけはするものの、

温泉の中で使用している方は、みる機会が少なくなった様な気がします。

THE 温泉、の様な雰囲気も良く、浴衣が似合う街並み、温泉街などでは浴衣や温泉手形セットに付いている所もあり、浴衣を着て温泉街を歩くと、少しコスプレした様な気分でワクワクし、より一層その場の雰囲気が楽しめて癒される気がします。

少し前、おしゃれな手ぬぐいに各ツアーで指定された温泉で、スタンプラリーの様にスタンプを押す温泉のツアープランなどもあり、楽しい発想で手ぬぐいに価値を見出していました。

最近では、温泉などで手ぬぐいを使ってる方を見かけるより、街中やお店などで見かけることが多い気がします。手ぬぐいの専門店などで数百種類以上も取り扱っているお店もあり、多種多様な手ぬぐいに出会える様になったので用途も変わってきたのでしょうか。

 

話は少し変わりますが、温泉の手ぬぐいで白が多い理由はご存知でしょうか?

その理由というのが、昔は手ぬぐいを温泉旅館が配っていた時もあり、その際にもらった手ぬぐいで温泉に入ると、温泉の成分で白い手ぬぐいが茶色や赤茶色などに染まっていきます、その温泉の成分で染まった手ぬぐいが昔はその温泉に行った証やステータスだったみたいです。それが馴染んで温泉で使う一般的な手ぬぐいには白のイメージが多くなったのではないかと言われているという話を聞いたことがあります。

そのほかにも染め方次第では色落ちがしやすいため敢えて色を染めすぎないデザインを使ったという話も聞きます。

染料をあまり使わず白が多かったのはそんな粋を楽しむ習慣があったみたいですね。

もちろんご存知かと思いますが、温泉の中に直接浸けるのはマナー違反なので洗う際や流す際、風呂桶の中で濯ぐ際についた自然な色こそが粋だと思います、普段はタオルやハンカチが多く、あまり手ぬぐいに馴染みがない方も、手ぬぐいと温泉で粋を楽しんでみてはいかがでしょううか?

温泉で少しずつ染まっていく手ぬぐい


上の文で少しだけ触れましたが、昔の方のステータスとなっていた温泉の泉質で染まった手ぬぐいですが、染まり方としては天然の染料で染めた草木染めの様な性質に少しだけ近い気がします。

草木染めは繊維に色が定着しずらい天然の染料をつかう際に、媒染剤などを用いて繊維に色素を定着させ易くする、天然染料を使った染め方です。この媒染剤とは、染色を助ける金属化合物のことで通常草木染めの場合は、先にこの媒染剤に繊維を浸しておき、染料を付けた際に分子と金属イオンが結合し水に溶け辛い色素に変わるのですが、

温泉の中の成分が繊維に付着し、その成分が変質・変化して色が付く、(染料の分子を結合させてるわけではなく媒染剤の代わりをした温泉の成分が色になる、または変質・変化して色が付くためにあくまでも草木染めに近い感じと解釈して頂けたら幸いです)それを繰り返して色が強く出てくる=沢山その温泉に行っているという証。なのではないかと。その温泉の手ぬぐいでいい感じの渋い色を出している方がいらっしゃったらその方はかなりの手練なのではないかと感じます。